アイドルが新規ファンを獲得するために必要な姿勢の話

 少し前のことになりますが、複数組の女性アイドルが出演するフェス形式のイベントに連れて行ってもらいました。有名グループの系列からちょっとマイナーなアイドルまで色々とみられるイベントです。私も以前は女性アイドルグループのオタクをやっていましたが現在は現場から少し離れており、今回の出演者は全て「グループ名とか雰囲気は何となく知っているけれどメンバーの名前まではよく知らない」という感じでした。
アイドルは全般的に好きなので初見でもそれなりに楽しめましたが、再入場自由の長時間のイベントだったため、興味が持てずに疲れて席を外してしまう時間帯もありました。そこで、初見を惹きつけるアイドル・惹きつけられないアイドルについて分析してみました。(誰向け?w)

フェス・対バン形式のライブでは、他グループのファンがたくさんいますよね。出演者の中でそこそこ自分達の知名度があると自負している場合でも姿勢としては「自分達の名前も顔も全く知らない初見がいる」「自分達が目当てではないのに、席を外さずにいてくれている」ということを常に意識した「謙虚さ」がポイントだと感じました。

出だしの挨拶
 知名度を問わず「初めまして!私達はこういうグループです!知らなかった人も良かったら一緒に盛り上がってください!」というような自分たち目当てのファン以外を意識した姿勢は、定番ですが好印象でした。よく知らなくてもとりあえず見てみようかなという気持ちになります。知名度が低いグループは勿論ですが、知名度があるグループがこういう挨拶をするのも「有名なのに謙虚だなー」と好印象です。そのグループのオタクとしても、そうやって多くの人に知ってもらおうと頑張る推しちゃん達を見たら「初見の人を巻き込めるように盛り上げよう!」という気持ちになれるんじゃないかなと思います。
 逆に「みんなが私達に興味を持っている」ということが前提の姿勢って、初見は置いてけぼりになるしちょっと上から目線に感じました。会場には他グループを目当てにきたファンがいて、その中でも興味をもってそこに居てくれる人もいれば、「知らんけど空席にするのも悪いし一応なんとなくペンライト振ってる」というような義理でそこに居てくれている人もいるわけです。そんな中で「私達がこのイベントにやって来ましたよー!」と、”皆さんお待ちかね”ばりの挨拶は不向きだと思うんです。(私が見たライブでも実際に一組だけいたのですが…)よく知らん人からしたら「いや誰だよ知らんがな」って話ですし、ニュアンス的に「既存ファンだけに向けている挨拶」という形になってしまっていると思います。既存ファンからしたら「来たー!」「こんな大きいイベント出られるようになったー!」という嬉しい挨拶だと思うんですけどね。

メンバーの自己紹介
 「〇〇担当の××です!△△(何かわかりやすい特徴とかあだ名とかちょっとした情報)で覚えてください!」くらい簡潔なのは覚えやすくてよかったです。「水色の子」「ツインテールの子」「大きいリボンの子」とか見つけやすいポイント(どの衣装の時でも共通してるトレードマーク的な)を言い添えてくれると、名前が覚えられなくても後から検索した時にすぐ特定できて親切だなって思いました。
 初見としてしんどかった例が、名前を名乗る前に「私が〇〇って言ったら、みなさんは『●●~!』と返してくださいね!」とかキャッチフレーズを言うためのコール&レスポンスの説明がとても長いものです。これだと初見は何のこっちゃわからんレスポンスを突然させられることに気を取られてしまって「で、結局あなた誰だったの?」って感じなんですよ。しかも知らん人のそれが何人も続くと飽きます。コール&レスポンスありきの自己紹介、既存オタとしては楽しいと思うんですけれどああいう場には向かないと感じました。その場の客層に合わせて自分だけで完結できる自己紹介と使い分けるか、動員がある程度あるならレスポンスはとりあえず既存オタクとメンバーに任せて、初見さんにはスムーズに完成形を聞かせて名前を覚えてもらうことを先行する方がいいと思いました。
曲紹介
 シンプルに曲名を言ってくれるのも「この曲よかったな」と思うときに検索しやすくて良いし、
「この曲はみんなで声出していきましょう!」「私たちのライブで必ずやる定番曲です!」「サビの部分は振り付けを真似して見てください」など、どんな曲なのかを紹介するのもわかりやすく良いなーと思いました。

 初見が置いてけぼりだった例は「みなさん、次の曲はペンライトを◯色にしてください!」「◯色ということは〜…!?そう!あの曲です!!(みんながわかること前提で曲名すら言わない)」」と言い出した際でした。これね、初見はとりあえず指定された色にしてみるも「…で?結局何なの?」なんですよ。しかも曲が始まったところで知らない曲ですし。ファンはもうペンラの色を言われた時点で「お!!??あの曲やるんか!?来たーーーー!」って感じなの、わかるんですけどね…ワンマンじゃないのよ、ここは…。

 

という感じで、やはりわかりやすく歌唱力が高いとかダンスが上手いとか曲の良さとかそういう点で惹かれるのは勿論なのですけど、すぐにでも改善できる点として謙虚さって本当に大切ですね、という話でした。

(ちなみに上記で挙げた良い例はどれも冒頭でお話ししたイベントで見た素敵なアイドルちゃんたちを参考にしました。NG例は全て同イベントでとある1つのグループが実際にしていたこと達です…残念だよねぇ。)