バスケのブーイングは意地悪じゃないのよ~という話

プロバスケの試合観戦後にSNSで試合について検索していると、ちょくちょく見かけるのがブーイングの是非。

最初に言っておくとバスケの試合で相手のフリースロー時に観客が行う「ブーイング」というのは、選手やジャッジに不満や非難を示すための野次や暴言のようなものではありません。主にゴール裏を中心に声や物音を立てたりしてフリースローをする選手の気を逸らせたりして邪魔をしてやろうぜ!という応援文化の一種です。(暴言や差別・侮辱のような意味合いの物を掲げることはないですし、フラッシュを向けたり物を投げるだとか本当にプレーの妨害になるような行為はNGです。)ブーイングをしている人の多くは相手チームに敬意をもって楽しんでいますが、「相手の当然の権利だから邪魔をしたくない」「相手の失敗を願うのは良くない」などそれぞれの理由でそれに参加しない人も勿論います。

私はバスケ観戦で初めてブーイングを見た時、今まで認識していた罵詈雑言の"ブーイング"とは違って「応援しているチームに加勢する」というような参加型のエンタメ感があって面白い文化だなーと思いました。

 

海外ではこのような面白いことをするファンも。

 

そして日本のBリーグではアルバルク東京のブーイングが面白く、名物化しています。

basket-count.com

 

ブーイング否定派の意見も理解します。バスケにおけるブーイングという文化を知らずに初見でそれを見たのならすごく意地悪なものに見えても仕方がないし、「相手の失敗を願って、失敗したら喜ぶ」というのも普段生活している上での感覚でいえば褒められたものではないです。だから私はブーイングをしない主義の人は当然しなくて良いと思っています。

ただ、個人がしないという選択をしたとしても、会場ではフリースロー時に大きなブーイングが当然起こります。それに対して「この人達は相手を貶めることで楽しんでいるんだ…」という認識のままジッと黙っているのは少なからず不快な気持ちを抱くと思うし、ブーイングしてる方もそう思われてしまうのは不本意だと思うのです。そこで、今回は「私がどのような意識でブーイングを楽しんでいるのか」について書いてみようと思います。これは私個人の考えですが、ブーイングしない派の人達の不快度がすこしでも軽減し、観戦がより楽しめますようにと願いを込めて。

 

私にとってのブーイングは、「相手が手ごわいからこそ、ディフェンスの1つとして好きなチームに加勢する」という、好きなチームへの応援・そして素晴らしい相手チームへの敬意のような気持ちの表現でもあります。それに加え、「どうせこちらが何をしようが集中してれば入るだろうけど…とりあえず楽しく悪あがきして邪魔してみよう!」という遊び心だったり、もし外したら「私達ファンのブーイングが外させたよね!」というしょうもない冗談だったりとか、そんなふうに観戦を楽しむ方法のひとつです。そこに相手チームの選手への悪意や憎悪はないし、選手たちだって勿論それをわかっているからこそなりたっている文化だと思っています。相手がミスした時に起こる拍手も、そのミスに対して嘲笑したり馬鹿にしたりする意味合いはなく、応援しているチームにラッキーなチャンスが生まれたことに対して拍手をしています。これも”手ごわい相手”と認識しているからこそ相手のミスが「ラッキー」なわけです。決して相手チームに対して悪意を持って「はーずせっ!はーずせっ!」というノリでやっているわけでもなければ、「やーい!ミスしたぞこいつ!だっさー!(笑)」という意味合いで拍手するわけでもないのです。

 

だから、観戦におけるマナー・ルールを守って楽しくブーイングしている人達のことも非難したりせずにどうか尊重してほしいと思うんです。「近くにいた〇〇ファンの人が足踏みで音を鳴らしてブーイングするのまじでやめてほしい!子供が真似する!」(※足の踏み鳴らしは会場によってはアナウンスで煽るくらい一般的な方法です)とか、「初めて観戦にいったけどブーイングとかバスケファンって最悪ですね!」みたいなことが書かれているのを見ると、きちんとマナー・ルールを守って楽しんでいる人達が悪者・迷惑扱いされていることに遣る瀬無さを感じます。

特にお子様連れの方は教育上も気にされる方が多いと思いますし、「子供にはブーイングさせないようにしている」ということも結構あるように思います。でも…願わくば、もしお子様がブーイングを面白がってやりはじめた際には「良くないことだから止めなさい」ではなくて上記の通り「それは相手への敬意をもってするもの。」「意地悪な気持ちで失敗を煽るならしない、敬意を持って楽しく応援できるならしても良い。そしてこれはバスケ観戦での文化だから普段の生活でお友達にはしない。」と…是非そんな風に教えてあげてもたえたら嬉しいです。勿論、それぞれのご家庭の方針に口を出す気はないですが…小さいうちは区別が難しいし、お友達に意地悪してしまったら…と考えると「よくないこと」と教えるのも良い選択なのかもしれませんが…。

 

以上で述べたことはブーイングを推奨・強要する意図ではなく、同じ空間で同じコンテンツを楽しんでいるもの同士としてお互いに尊重し合いたいという気持ちで説明した限りです。お子様に限らず全ての観戦客に言えることですが互いの正しい意図を理解した上で「自分はしない」「自分はする」と選べた方がどちらにせよ気持ち良く観戦できると思うのです。色々な応援スタイルが気持ちよく共存できると良いですよね。(全般的な話でなく個々に見てしまうと、本当に悪意・敵意むき出しで双方の選手やファンに敬意を欠いた観戦態度の人も悲しいことに時々居るんですけど…それはバスケの応援文化云々ではなくてその人個人の問題ですので今回は敢えて触れていません)

 

余談ですが、試合観戦での不快な経験という繋がりで…

バスケは基本的に「ホームVSアウェー」ですから、会場自体(演出や会場のMCなど)がホームの応援をしますよね。会場のスタンスとしてはどこも基本的に「アウェーの選手・ファンのみなさん、ようこそ!今日はよろしくね!でも勝たせてもらうぜ!」と温かく迎えてくれる感じではあるけれど、演出の特色とか応援の雰囲気はチームにより結構異なるもので、アウェーに行っても勝敗に関わらず「気持ち良く応援できた!素敵なアリーナ!」と思う事もあれば、「このアリーナはちょっと嫌な感じだったな…」と思ってしまうこともあります。簡単にいうと「ホーム上げ」の方向性が悪意なくとも「アウェー下げ」みたいなニュアンスになってしまうことがあって、不快になることがあるのです。勿論、基本的に歓迎する態度でいてくれているし悪意はないと理解しつつも、私もアウェーのアリーナで一度だけ嫌な気持ちになってしまった経験があります。それからは自分が応援しているチームのホームゲームでは常に「アウェーのブースターさんたちが勝敗問わずまた来ようと思ってくれるといいな」と…特別何かするわけではないですけれど、相手チーム・ファンへの敬意を欠くことがないよう応援する際の言葉や態度に気を付けています。