埼玉県人が翔んで埼玉を観てきた。

私の実家は所沢。私は埼玉県人なのだ。

本来であれば新所沢の映画館(最近キレイになったと風の噂できいた)で観るべきだったのだけれど、残念ながら仕事の都合でなかなか県内の映画館に行けず、六本木などという都会指数の高い映画館で観てしまった。「ここで笑うの埼玉県人だけじゃん」と思うような小さいネタでつい笑ってしまっていたのは私だけではなく、六本木も埼玉化が進んでいる模様。

 

これまで「ダサイタマ」と言われることについて、率直な感想としては「ピンとこない点で馬鹿にされて反応しにくい」という感じだった。例えば田舎くさい様子を表すのに「埼玉のヤンキーに居そう」みたいな表現を聞いたことがあるけれど、私が住んでいる地区ではヤンキーなんて見たことがなかった。大学時代に都内で飲み会をすると「家、埼玉なの!?遠くない!?」と言われたりもしたけれど(その輪は神奈川県民が多かった)、実際の所要時間としてはみんなと殆ど変わらなかったし私自身遠いと感じたことはなかった。終電の時間も遅い方だったので終電を理由に輪から途中離脱しなければならないということもなかった。

都心が"近所"といえるほど近いわけではないがそこそこアクセスも良い、都会ではないがド田舎でもない普通の住宅街で育った私は、埼玉での暮らしに何も不満を感じたことはなくほかの土地に劣っていると思ったこともなく、「何もなくて田舎なダサイタマ」というイメージで埼玉を見下してくる人とは話がかみ合うはずがなかった。いちいち否定するのも面倒なので何となく「そうそう、ださいたまなの~」とか言ってヘラヘラしていたけれど、"埼玉県在住だというだけで覚えのないことで一旦見下される"というその流れは非常に面倒くさくて鬱陶しかった。そんなわけで大学時代は出身を言う流れにうんざりして「こりん星から来ました」と答えていた。

しかし、劇中で加藤諒演じるZ組の生徒が「悔しいよ!住みやすくていいところじゃん!」と言ったのはなんだか心にグッときた。完全コメディで「感動した」というのもおかしな話かもしれないけれど、感動した。そう、ものすごく印象的なものはないけどほどほどに何でもあって住みやすくていいところ。それなのに何故よく知りもしない人に「埼玉は何もない」「ダサイタマ」だとか馬鹿にされてヘラヘラしてなきゃならないのかと!埼玉県は見下していいみたいな風潮意味わからん!!バカにされるたびになんとなく抱えていたモヤモヤが加藤諒のセリフでしっかりと言葉にされて、なんだかとても気持ちが良かった。

 

兎にも角にも、この映画を観てからは埼玉県出身であることがとても誇らしくなった。「私は埼玉県人です」ってめっちゃ言いたい。今後は出身地をきかれたら相手の反応を面倒くさがらずに「埼玉県」と堂々と言いたい。埼玉ポーズしながら言いたい。なんなら翔んで埼玉的な位置づけでは「所沢」というのもちょっと誇らしいし()、今私が中高生だったらプリクラ撮るときに埼玉ポーズしまくりたい。

映画『翔んで埼玉』ありがとう…!

 

余談だけど、そもそも「関東は東京・神奈川に次ぐ3番手争いで埼玉VS千葉」みたいな構図って本当にあるの…?所沢は千葉と結構距離があるからなのか、全然そんな風に意識したことがなかった。テレビとかでもたびたびその構図を持ち出されているのを見るけれど「????」って感じ。張り合うほどお互いのこと知らないし意識もしてないよね。

 
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