強く可愛く生きたいな

最近、「女が嫌いな女」みたいなのを女が語って盛り上がるバラエティ番組をみた。たしかに共感するネタもあったのだけれど、それ以上にカメラの前で楽しそうに上から目線で同性の悪口をいってる絵面が不快すぎて、その番組を見るのをやめた。ああいうのはお笑いのあるあるネタが程よいもので(横澤夏子のネタとか結構好き)、ああやって普通にあーでもないこうでもないって話し合っちゃうと本当に見苦しいただの悪口なのよね。

 

それを見ていてふと思い出したのだけれど、私も「女が嫌いな女」という感じで「ぶりっこ」だとか言われて同性から嫌悪感や悪意を向けられたことが何度かある。それは決まって"同じ空間には居るけど言葉は挨拶程度しか交わしていない"くらいの距離感の、よく知らない人にそういう態度をとられるのだ。例えば、同じ飲み会にいたけど別テーブルだったから個人的には特に話してない人とか。仲の良い友人達には「知らない人に一方的に嫌われることあるよね()」とネタにされている。実際は女子校育ち・アルバイトも女性ばかりの職場・就職先も女性が多い会社におり、ずっと人間関係は良好なので「女に嫌われる女」という感じでもないと思うけれど。

 

一時期は少し気にして「女に嫌われる女」について検索してみたりしていた。調べてみると"女ウケ(同性ウケ)が悪い女"というのは、「ぶりっこ」「男に媚びてる」「男の前で態度が変わる」「男ウケを意識しすぎ」などという要素が出てきた。逆に女ウケが良い女は「さばさばしている」「自分を貫いている」「男に媚びない」という感じ。服装でいうと、いつの時代も鉄板な「モテ服(女子アナみたいな服?)」は同性ウケが悪くて、流行を取り入れたり個性を出したりするオシャレは同性ウケが良いと。メイクも、ナチュラルな色味や可愛らしいピンクを使ったメイクは「モテメイク」とされ、赤リップや奇抜なカラーメイクなどは「女ウケ」「男に媚びない」とされている様子。まさにぱっくり正反対。え、要するにモテそうな女は嫌われて、男ウケわるそうな女が好かれるってこと???(この世の中には男女ともに好かれる人気者も存在するけども…!)

 

私は所謂モテ服みたいな方向性の甘めなテイストが好きだし、喋り方はさとう珠緒さんに似ていると言われる。(これについては口調じゃなくて声質が似ているのかも。)おそらくそのあたりが「ぶりっこ」とか「男に媚びてる」という風にとられるのだろう。特に、遠目で見ると服装だとか声の響きだけがなんとなく入ってくるから、よく知らない人の目には特にそのように映るのだろう。

だけど私はそう見られることがあるのかもという点については納得した上で、自分を変えようとは思わなかった。むしろ変える必要がないとわかって安心した。

「男ウケ意識しすぎ」だとか「男に媚びてる」だとか、「女が嫌いな女」で挙がる意見の多くは男性の存在が絡んだ見方なのだ。思い返せばそういった嫌悪感や悪意を向けられるのはいつも男女混合の場だった。道理で女性だらけの場では人間関係良好なわけだ。しかし…男ウケ云々ぶりっこ云々言ってる人って、私からしたら「そういう見方をするあなたたちの方が男の目線を意識しすぎじゃね…?」の一言に尽きる。

同性を見る時に「自分/相手」ではなくて「自分/(男性)/相手」という見方をしているわけじゃないですか。常に異性の存在を間にはさんで考えてしまっている。可愛い服を着たり可愛い態度をとることが「男ウケ」「男に媚びてる」としか捉えられない、男ウケ悪そうなファッションや態度をとることでしか「男に媚びない」を表現できないのって…すごく勿体ないし不自由じゃないのですかね。異性の存在に自分の選択や感情を振り回されすぎなのでは?そんな視点であーだこーだ言われましても知らんがな。

 

「自分がどうなりたいか」の中には「どう見られたいか」も含まれたりするので、他者と関わって生活している以上「他人の目を意識していない」とは言えないけど、それを含めて自分のための表現なので、私は自分の為に自分の好きな服をきて好きなメイクをしてなりたい自分に近づけるように振る舞っていると自信をもって言える。だから私は大して知らない人にぶりっこだのなんだの言われてももう気にならない。

 

意地悪な態度をとられてされてくよくよしてた頃、仲良しな先輩に「"可愛い"を貫くあなたはハードボイルドな子だと思ってる」と言ってもらえたことを誇りに思います。強く可愛く生きたいな。