若手俳優やアイドルのカノバレ・カレバレ炎上について思うこと

 若手俳優さんや地下アイドルを応援していると、異性関係での炎上は日常茶飯事だ。有名人のように「気を付けていたけれど撮られてしまった」ならまだしも、若手俳優や地下アイドルのそれは大抵の場合自らバレるようなことをしてしまっている自業自得のカノバレ・カレバレである。

 

 そういうことでファンが騒然としていると、大抵は外野に「ガチ恋ファンきもい」「恋人くらい良いじゃん」「プライベートは自由」「自分が恋人にでもなるつもりだったの?」だとか不快な気持ちを吐露したファンが悪く言われてしまうのが居た堪れない。そういうことじゃないんだよ。多くのファンは「恋人作るな」とか「私が彼女になりたい!」だなんて思っておらず、「年頃のイケメンなんだから彼女の1人や2人居るでしょうね」「可愛いんだし彼氏いるんだろうな…」くらいには思っているし、ステージと客席の越えられない(超えてはいけない)壁をきちんと認識した上で応援しているのだ。それでも、具体的な恋愛事情なんて知りたくない。それは、具体的に相手の顔を知ってしまうと推しの「コンテンツ」としての魅力が半減するからだ。例えばインタビューで恋愛について答える時も、恋愛ソングを歌っても、恋愛モノの演技でも、ふと相手の顔がチラついてしまうことがあると純粋にそのコンテンツを楽しめなくなる。私はそういう営業の人を推した経験はないけれど、若手や地下にありがちな接触イベントでのガチ恋めいた営業も、付き合っている相手を知らなければまだ疑似恋愛コンテンツとして楽しめても、付き合っている相手を具体的に知った状態でそれをされたら複雑すぎる。プライベートを知ってしまうとどうしてもそれがチラつく瞬間があるのは恋愛に限ったことじゃないが、恋愛はそれが特に生生しく感じられるから不快感を覚えやすい。プライベートはプライベートでも、好きな食べ物や趣味や特技を知ることとはコンテンツへの影響が全く違うのだ。ペコ・りゅうちぇるみたいに売り出した時点で既にカップル売りしているならまだ受け入れやすいけれど。

 カノバレ・カレバレでよくあるのは「匂わせ」である。SNSの内容が双方でかぶっていたり、又は一緒に居る相手が誰だかわかるようなものを写りこませたり、2人の共有物が登場してしまっていたりなどパターンは色々。異性ファンが多いのなら熱愛ネタが喜ばれるなんてことはほとんどないし、場合によっては身近な共演者や事務所にも迷惑がかかる。そんなことは容易に想像できるはずなのに、それを自覚せず自ら匂わせるようなことをファンに発信するという軽率さには本当にあきれる。推し自身ではなくて相手側が匂わせを発信していて推しがそれを咎めずにいる場合も同様である。なぜファンに向けてのコンテンツでファンから疎まれるとわかっているそれを発信する(またはそれをする相手を野放しにする)のか理解しがたい。ファンを自身の恋愛においてのスリル・スパイスみたいに扱われているようで不快である。

 

  そして信じがたいことに画像流出というのもカノバレ・カレバレのきっかけとしてありがちなのだ。あれに関してはとにかく生理的に無理としか言いようがない。一般人だってイチャイチャしてる写真をSNSに上げたら疎まれるというのに、推しのそんな画像がどこからか流出してきたら、シンプルに「気持ち悪い」としか言いようがない。流出するということは自分たちのデータフォルダだけに留めているわけじゃないということだし。それも記念撮影のような適度な距離感のツーショットならまだしも、イチャイチャチュッチュしてるところやベッドでの写真などに関しては「芸能人なんだから~」とかいう次元じゃなく「なんでこんな写真ん撮ってんの?どういう状況?きも…」という気持ちである。例えるならば駅の改札前でベタベタイチャつくカップルを見ている時、あるいは学校名もフルネームも垂れ流しで「since: 04.01~」とかやってるDQNカップル垢を見てしまった時みたいな不快感。とにかく気持ち悪いからやめてくれ。

 

 カノ・カレバレに限らずだけど、推しがこういう軽率な行動で炎上するのって本当に情けないし恥ずかしい気持ちになる。「私は○○さんが好きなんです」と言った時に「○○さん?ああ、この前あれで炎上してた人ね()」なんて炎上ネタで覚えられてると恥ずかしい。推しを知らない友人が興味を持って検索してくれた時にも、経歴よりも炎上の痕跡の方が目立って出てきてしまう。「この前炎上してたけど大丈夫?」なんて同情されて無駄に惨めになる。

 

 「プライベートは自由」というのは理解するけれど、推しというコンテンツを楽しむにあたり邪魔になるような面はファンに見せるべきでないと思う。自身が商品である以上、プライベートが露呈してしまえば良くも悪くも商品価値に影響が出てしまうのも事実。自ら発信しているならなおさらだ。どうかそのことを心に留めて、これからもキラキラした姿を見せてほしいなと思う。