ネットでの会員登録・退会のお話

近年は何をするにも会員登録が必要なサービスは多い。なにかをしようとした際に会員登録を求められ、登録無料であれば大して考えもせずとりあえず登録してしまう人も少なくないだろう。

そして多くのサイトは「初めての方(新規登録)」だなんて登録への誘導を大きくしつこく各所にのせているのに、退会となると「退会」というリンクをどこにも貼っておらず、Q&Aの「退会するにはどうしたらいいですか」という質問の回答に飛ばないと退会ページにまでたどり着けないのがデフォルトになりつつある。ひどいところだと

 

今退会すると~が出来なくなってしまいます!本当に退会しますか

退会するのをやめる】

それでも退会する(←超小さくてわかりにくいリンク)

 

だなんて、引き留めるための無駄なステップを何ページにもわたり用意していたりする。恥を知らないというか品がないというか。退会処理に手間をかけさせたり退会方法をわかりにくくさせることにより退会を防ごうとするなんて、悪質スパムのようで気分が悪い。言葉巧みに部屋に客を招きいれ、出口をふさぎながらセールストークをしてくる悪質な押し売りと同じだ。そんなことはせずに、退会させたくないなら退会したくないと思わせるサービスを提供するべきである。

 

数年前にベルーナ(RyuRyu)で買い物をしたら、頻繁にカタログが送られてくるようになった。女性向けファッション誌のようなそれは、激安というほどではないけれどプチプラと呼べる価格帯の可愛いお洋服が多く載っている。しかし2,3度買い物をしてみたもののどれも届いてみるとガッカリするものばかりだったので(縫製が極端に悪かったり、写真と色味が違ったり、素材があまりに安っぽかったり)、もうここは退会しようと決めた。他の通販会社と比べてもかなり頻繁に届くのでチラシや冊子がたまってしまうのにも困っていたし、IPSAの情報流出(私はクレカ情報の登録はしていなかったので金銭的な被害はなかったが、メールアドレスが流れてしまったようでRaybanのサングラス云々という定番の迷惑メールが毎日くるようになってしまった)以降は個人情報の登録に関して以前より気にするようになっていたので、不要なサービスからはしっかりと退会しておきたかったのだ。

 

Web上で退会処理を行った。ベルーナのサイトのQ&Aから退会手続きのページにとび、自動返信の退会処理完了メールが届いて手続きは終了。これでひたすらカタログを開封してゴミの分別をして捨てるという作業から救われる!と、とても清々しい気分だった。ところが、退会から2か月が過ぎているというのに続々とカタログや会員向けの広告が届いている…。さすがに不審に思い中身をよく確認してみると、なんと「○月○日時点でのお客様の利用可能ポイントは~ポイントです」と、退会日付以降の所有ポイントが印字されていたのだ。たしかに退会手続き完了のメールが来ているしもうログインも出来ない状態になっているのに、どうして会員番号が生かされてるの??ととても混乱し、すぐにお問い合わせ窓口にメールで問い合わせをした。

問い合わせた内容は

「退会処理を完了したはずが、カタログを送られ続けて困っている。同封されていた注文用紙を確認したら退会日付以降も会員番号が生きているようだ。ネット上の手続きだけでは退会は完了していないのか。個人情報が心配である。」

 という旨。

すると翌日には返信が来た。回答を要約すると

「たしかに退会手続きは完了しているが"ベルーナネット会員"を退会したのみで、電話・FAX・ハガキでの注文は可能な状態にある(=会員番号やポイントはこれまで通り生きている)し、カタログも今まで通り発送され続けるようになっていた。今回カタログ不要とのことなのでカタログ発送を止める手続きはしたが、個人情報に関しては電話にて問い合わせてくれ。」

という返答が。私の質問に対してきちんと丁寧に明確に答えてくれて、問い合わせに対する対応としては不快な点はなかった。しかし内容には唖然とした。web上で退会手続きをすることには何の意味もなかったのだ。それだけではカタログも広告も届くし会員番号も生き続ける。ただネットの会員ページにはログインできなくなり、メルマガなどをとっていた場合はそれが届かなくなる。ただそれだけなのだ。私のように退会したつもりで実は退会できておらずに個人情報を預けっぱなしの人がどれだけいることか…!ベルーナに限らず、web上で会員登録をしweb上で退会処理を行うことは多くある。自分が退会済みだと思っていたものが実は「退会したのは"ネット会員"のみで、登録自体はされたまま」ということが他にもあるのではないか…と怖くなった。あるのではないか、というかおそらくあるのだ。今回はカタログが頻繁に届いたから気づいたというだけだ。

 

「サービスが不要になったらこの手順で退会できます」と、退会の案内が登録案内と同じくらいしっかりわかりやすく提示されていたほうが、企業としての誠実さを感じるし安心して登録ができるのではないかと私は思う。登録は誰にでもわかりやすく簡単にできても、退会方法は検索をかけて探したり個々に問い合わせが必要になってしまうようでは、「自分で登録できる人」が「自分で退会できる人」とは限らなくなってきてしまう。スキー初心者をリフトで上級者コースまで連れて行き、「自力で勝手に滑ってきてね~」と言って頂上に放置するようなものだ。

老若男女だれでもインターネットを気軽につかう時代になった今こそ、サービスを提供する側は情報弱者の足元を見るようなやり方で儲けるのではなく「誰にでもわかりやすく」して信頼を築くべきだ。会員登録を簡単にするのであれば、退会方法も同様に簡単にすべきだと私は思う。

 

ちなみにベルーナの個人情報について対応してくださる窓口は平日の昼間しかあいておらず、私は仕事やら何からでなかなか電話をかけられずにいるので、カタログ発送は停止されたものの私はいまだに会員なのだと思う…(笑)